あなたは一日どれくらい歩いていますか?
歩くことは身体に良いことはご存知かと思いますが、だからといって普段歩いていない人が歩く習慣をつけることは、簡単なことではありません。
そこで、この記事では、普段あまり歩かない人が歩く習慣をつけるきっかけになるように、歩くことのメリットについてお伝えします。
歩くことの6つのメリットとデメリット
早速ですが、歩くことのメリットについてお伝えします。
「歩く」と言っても、通勤などの「徒歩移動」や「散歩」「ウォーキング」があります。
これらに共通することは、有酸素運動になるということです。
有酸素運動は、身体に溜まった皮下脂肪や内臓脂肪を燃やす働きがあります。
そのほかにも「歩く」行為には以下のような様々なメリットがあります。
- 血液の改善
血流がスムーズになり、血圧を下げる効果があります。 - 糖尿病の予防
糖が消費されるので血糖値が上がりにくくなります。 - 骨が丈夫になる
骨にも適度な負荷がかかるので、骨が丈夫になり、骨粗しょう症の予防にもなります。 - 筋力アップ
年齢を重ねると衰えてくる筋力を強くして、寝たきりを防いだり、心肺機能の向上につながります。 - 脳の活性化
脳の血流も良くなること、さらに酸素を多く吸収することで脳に栄養が行き渡りやすくなります。 - ストレス解消
精神的な疲労回復にもなり、鬱にも効果的です。
いかがでしょうか。
身体の健康促進ということだけでなく、精神的な面でも改善されるというメリットがありますね。
歩くことで上記のメリットが得られるということは、歩く習慣がないと、糖尿病のリスクが高まったり、筋力が衰えたり、ストレスがうまく解消できなかったりと、肉体的にも精神的にもデメリットになりかねません。
「全然歩かないけど、私はまだ若いから大丈夫」と思っている人こそ、今のうちから歩くことが大切です。
これに対してデメリットは、普段から歩いたり運動していない人は、急に長時間歩くと疲れてしまったり、足を痛めてしまうことです。
また、猫背や反り腰など歩く姿勢が悪いと首や腰に負担がかかり、腰を痛めたり肩こりなどを引き起こしてしまうことです。
メリットばかりに気を取られず、無理をしない量と正しい姿勢で歩くことが必要です。
様々な「歩く」方法
「歩く」ことは、有酸素運動になるとお伝えしましたが、ひとえに「歩く」と言ってもいくつかの種類に分けることができます。
ひとつは、日常の移動のための「歩く」。そして「散歩」。さらには、「ウォーキング」があります。
移動のための「歩く」
移動のために歩くことは誰もがやっていることだと思いますが、生活スタイルによって歩く時間には大きな差があります。
また、少ないから何とかしたいと思っている人でもちょっとした意識で増やすことができます。
歩く量は生活スタイルによって違うと述べましたが、特に通勤の方法によっての違いが大きくなります。
例えば、通勤に電車などの公共交通機関をメインに使う人と、車(自家用車)をメインに使う人だと、公共交通機関を使う人の方が徒歩移動の時間も多くなります。
それに伴い、車をメインに使う人は肥満や高血圧のリスクも30%程度高くなります。
急に通勤のための移動手段を変えることは難しいと思いますが、健康面を考慮すれば、歩く時間を増やした方がよいでしょう。
通勤以外でもちょっとした意識をすることで、日常生活での歩く時間を増やすことができます。
例えば、
- エスカレーターではなく階段を使うこと
- 徒歩10分以内で行ける店に行くときは車を使わない
- オフィスで上下3階分の移動はエレベーターを使わない
など、生活に「歩く」時間を増やしてみてください。
「散歩」で心も身体もリフレッシュしよう
散歩は運動強度としては小さいですが、散歩によって精神の安定など、主にストレスに対する効果があるセロトニンが脳内で分泌されます。つまり、メンタル改善に効果的です。
そして何と言っても気軽にできることが散歩の魅力です。
なかなか激しい運動をするためのモチベーションがなくても、散歩なら多くの人が気軽にできることですし、ジムに行って運動するほどのまとまった時間がなくても、近所を散歩するのはすぐに始めることができることなので、運動嫌いの人には特におすすめです。
散歩の効果をより高めるためには、どこを散歩するかが大切になってきます。
結論を言えば、森の中などの自然豊かな場所を散歩することが効果的です。自然の中での散歩はストレスを減らす効果があり、また、免疫力も高めてくれます。これは、1984年のアメリカや2014年に行われた日本での研究結果でも示されています。
とはいえ、周りに自然がなんてないという人も多いでしょう。そんな人は、街路樹や神社やお寺などのちょっとした木々の近くを散歩するだけでもある程度の効果があるので、ぜひ気軽に散歩してみてください。
ウォーキング
日常の「歩く」動作と違い、「ウォーキング」は、「健康や体力の維持・改善・増進を目的として歩くこと」を言います。
このウォーキングの効果を高めるためには、歩くスピードや姿勢を意識してどのくらいの時間(距離)歩くかを考えることが大切です。
ウォーキングの方法と効果|健康長寿ネットによると以下のように紹介されています。
視線は自然に前を向き、頭を天からつり上げられているような気持ちで高くして背筋を伸ばします。肘を曲げて腕を振り、足は後ろ足のつま先で地面を踏み込むようにして重心を前に移動させます。
また、ウォーキングは有酸素運動なので、エネルギーを燃やす効果があるため、激しい運動は苦手だけどダイエットしたい人にはおすすめの方法です。
1日の歩数の目安
健康のためには1日でどれくらい歩けばよいのでしょうか?
理想とされるのが1日1万歩です。1日1万歩以上歩いている者は男性29.2%、女性21.8%です(平成9年度国民栄養調査)。ちなみに日本人の平均は、男性:約8200歩、女性:約7300歩となっています。(身体活動・運動|厚生労働省ホームページより)
これが70歳以上の高齢者になると、目標とされているのが男性で6700歩、女性は5900歩となります。
歩数だけだとわかりづらいので、時間と距離で考えると、
10分で約1000歩、歩くことができるため、1万歩は約1時間40分ほどの時間に該当し、距離にすると約7キロメートルです。
厚生労働省によると、健康のために平均値をそれぞれ1000歩増やした、男性が9200歩、女性は8200歩を目標にしています。
ここまでは日本人の平均や目標でしたが、最近ではそれほど歩く必要がないという意見も出ています。
発表された論文によれば、1日7500歩以上は寿命を伸ばす効果がないというものもあります。
また、個人の仕事や生活習慣によって普段の歩数には差があるものなので、仮に1日1万歩の目標設定がプレッシャーやストレスになれば逆効果になる可能性もあります。
そのため、まずはあなたの普段の歩数を計り、その後、必要性に応じて無理のない範囲で目標歩数を決めるすることをおすすめします。
歩数を計るために万歩計もいいですが、おすすめはスマートウォッチです。最近は安くても機能が充実しているので使ったことがない方は試してみることをおすすめします。
アップルウォッチでも、もちろん可能です。
歩く習慣をつけるには
歩くことのメリットや歩く方法についてわかったところで、何もしなければ意味がありません。
大切なのは、行動することと継続することです。
普段から立ち仕事をしている人で、「一日1万歩なんて余裕だ」といった人でないなら、歩く量を増やして習慣にするために何か行動を変えていく必要があります。
ここからは、歩く習慣をつけるための方法についてお伝えします。
ちなみにこれから紹介する方法は、歩くことに限らず、他の様々な習慣を身に付けることにも活用できます。
記録しよう
スマートウォッチや万歩計を手に入れたなら、1日の歩数を計るだけで終わらせるのではなく、記録として残すことが大切です。
スマートウォッチを使えば、専用のアプリと連携して自動的に記録をしてくれるものが多いので便利です。
万歩計を使っている場合でも、歩数を管理できるアプリや手帳などに記録してください。
こうして記録を取っていると、「いつもより少し頑張って歩いてみよう」と思うようになったり、自然と「今日は○○歩を目指すぞ!」と目標を決めるようになります。
さらに良い目標を設定するには、1日の歩数に着目するよりも、1週間や1ヵ月の期間でどれくらい歩いたかを記録し、それを元に次週や次月の目標をつくることです。その際、これまでよりほんの少しだけ高い目標を設定することで、毎日少し多めに歩こうと思えるようになります。
こうして歩数を記録することは、歩く習慣をつけるためのモチベーションアップにつながります。
環境を作る
次に効果的なことは、歩くための環境や状況を作ることです。
よく健康のために「一駅分歩こう」なんてことが言われたりします。とはいえ、そう簡単にできるものではありません。なぜなら、人は本能的に楽をしたい生き物なので、一駅分歩くという行動は、楽とは正反対ですし、強い意志が必要になるからです。
しかも、人の意志は弱く、意志の力に頼ると、最初は勢いで何とかなっても、長期となると続けることが難しいため、失敗しやすくなります。つまり3日坊主になってしまいやすいのです。
そのため、意志に頼らない仕組みをつくることが継続のコツです。
これを踏まえてどうすれば良いかを考えると、「電車の定期券を一駅分手前で購入する」、「引っ越しの際に駅から少し離れたところに住む(徒歩10分~20分)」、「エレベーターのない3階や4階の部屋に住む」など、物理的に歩かざるを得ない環境を作ることが意志にたよらないポイントです。
引っ越しなどは、なかなか簡単にできるものではありませんが、次の引っ越しの際は、駅まで徒歩5分以内で探していたところを徒歩10分以内にしてみるなど、できることから始めてみれば良いでしょう。
犬を飼う
住んでいる場所でペットを飼うことができて、犬アレルギーでないなら、犬を飼うという選択肢もあります。
犬を飼えば散歩が必要です。散歩の目安は年齢や犬種にもよりますが、1日2回、20~30分程度です。
犬の散歩は、人間にとっても良い歩く習慣になります。
1回20分だとしても、1日2回で40分。歩数だと約4000歩、歩くことができます。
しかし、生き物を飼うには責任を伴います。家族の同意も必要です。歩くためだけに犬を飼うのではなく、最期まで責任をもって飼うことができるかどうか、しっかり考えてから決めましょう。
まとめ
いかがでしょうか。普段ほとんど運動していなくて何かしようと思っているなら、まずは歩いてみましょう。
「歩く」ことの様々なメリットや方法を知るとモチベーションアップになるので、時々記事を見返してみるのもおすすめです。
ひとえに「歩く」と言っても、日常の移動、ウォーキング、散歩など、時間と強度に違いがあります。
何を増やすかは、あなたの目的や生活スタイルによって決めましょう。