記憶に残る勉強法~復習はいつやればいい?忘れる前にしてはいけない理由






記憶に残る勉強法~復習はいつやればいい?忘れる前にしてはいけない理由


復習はいつやればいい?忘れる前にしてはいけない理由

あなたは復習をいつしていますか?勉強に復習は欠かせませんが、タイミング良く復習をすることで勉強の効率を高めることができます。この記事では、効果的な復習のタイミングと効率良く復習するための方法についてもお伝えします。

復習は2回以上やるべき

復習は一度やれば大丈夫というものではありません。一度聞いたら忘れないというような特別な人でもない限り、次々と忘れていってしまいます。試験日や受験日まで日数があるなら、何度もくり返し復習する方が記憶に残りやすいです。

人の脳は、必要がないとされるものはどんどん忘れるようにできています。人は毎日莫大な量の情報に触れているため、全部記憶していると頭がパンクしてしまいます。そのため大部分の情報は忘れるようになっています。逆に言えば、何度もくり返し入ってくる情報は、大切なことだとみなして記憶に残るようになっているのです。感情が動いたときの記憶は忘れにくいです。

また、一度だけの復習では記憶に定着するとまではいかないでしょう。記憶に残すための方法はいろいろとありますが、2回、3回と復習を何度もくり返すことは長期間記憶に残すための効果的な方法になります。

復習は忘れる前ではなく忘れた頃にやろう

それでは復習はどのタイミングでやればいいのでしょうか?結論を言えば、忘れた頃がおすすめです。一般的には忘れる前にやることがいいと思われているため、「すぐに復習しなさい」と言われてきたこともあったことでしょう。しかし、それでどれだけ記憶に残っているでしょうか。それよりも忘れた頃に復習することで長期的な記憶になるのです。

復習をするのに適したタイミング

それでは、忘れた頃に復習するというのは、具体的にいつやればいいのか?についてお伝えします。それは、うろ覚えの状態のときが最適です。例えば、問題を解いているときに「勉強したことは覚えているけど、答えは思い出せそうで思い出せない」というような状態です。このようなときに復習することで、記憶に残りやすくなります。そして、これをくり返していくことで強固な記憶になっていきます。

明日には75%のことは覚えていない〜エビングハウスの忘却曲線より〜

あなたが覚えたことがどの程度記憶に残り、そしてどのくらい忘れるのかは、有名なエビングハウスの忘却曲線でわかります。

これを見ると、思った以上に忘れてしまうことがわかるでしょう。20分後には40%が忘れてしまい、翌日では75%忘れ、そして1週間後には90%しか覚えていなくなってしまいます。このように、何もしないとほとんど忘れてしまいます。

ウォズニアック法や2×2のルールで復習しよう

エビングハウスの忘却曲線を紹介しましたが、この忘れるタイミングに合わせて復習をする方法を2つ紹介します。

  • ウォズニアック法:
    最初の復習を1~2日後に行います。
    2回目は7日後に行います。
    3回目は16日後に行います。
    4回目は35日後に行います。
    5回目は62日後に行います。
    ※5回行うのに121~122日かかります
    この方法は、過去の大量のデータから考え出されたもので、最も精度が高いと言われています。
  • 2×2法:
    1. 最初の復習は2日後に行います。
    2. 2回目の復習は2週間後に行います。
    3. 3回目の復習は2ヶ月後に行います。
    シンプルで、深く考えることが苦手だったり、気楽に復習したい人におすすめです。

成功者は基礎を飽きない

復習の内容については大切な部分だけ触れておきます。復習は、間違えたところや分からなかったところをくり返しやっていると思いますが、それだけだと基礎がおろそかになってしまいます。そのため勉強の基礎も定期的に復習することをおすすめします。そしてその時には、関連知識や逆からも理解できるようにしましょう。例えば、円の周の長さは「直径×円周率」ですが、これを復習するときに関連知識として円の面積「半径×半径×円周率」を覚え、さらに逆方向の「直径=周の長さ÷円周率」も覚えると理解が深まります。

「基礎なんてわかっているから余裕だ」と言っている人こそあまり理解できていないように思います。(この効果をダニエル・クルーガー効果と言います)

忘れる前の復習は効果が期待できない

忘れる前の復習をやってはいけない理由

忘れる前に勉強するとなぜいけないのかについてお伝えします。それは、忘れた頃にする復習と比べて長期記憶になりづらいからです。多くの人が「忘れる前に復習しなさい」と言われたことがあるでしょう。しかし、それは「なんかその方が良さそう」という感情によるものが大きく科学的に正しいことではありません。忘れる前に復習すると、「こんなの知ってるや」と思ってサラッと流してしまうこともあるでしょう。そうすると復習の効果が期待できなくなります。反対に忘れた頃に復習すると、「やったはずなのに思い出せない」と感じるでしょう。

初学におすすめ!効率的な復習法

忘れる前に復習しないならどのように復習すれば良いのかについて、時短にもなるおすすめの復習法を紹介します。それは、初めての勉強でしっかりと覚えよう・理解しようとするのではなく、全体像を掴むようなイメージでザッと流して勉強します。その後、問題を解くことを中心にした復習法です。その後は、先に紹介したウォズニアック法や2×2法のタイミングを目安にして復習を重ねることで、効率良く定着させていくことができます。

ポイントは、最初から時間をかけすぎないことです。初めて学習するときから「逃さず全部覚えてやろう」という意気込みで、時間をかけてじっくりやろうとする人がいますが、それだと時間がかかるわりに覚えていることはほとんどないような状態になってしまいます。完璧主義な人にこの傾向が強いので注意してください。

予習と復習はどっちが良い?について

「予習と復習のどっちが良いのか?」という論争がありますが、本質的には同じものです。復習についてはやった方が良いことは述べましたが、予習についても、予習をすることでその後の授業や講義が復習になるので、時間に余裕があるなら全体像を把握するための予習をした方が良いです。ただし、予習でわかったつもりになっていると、「ここは知っているから真剣に聞かなくていいや」と思い、その後の授業での吸収率が下がってしまいかねません。他にも予習をすることで、自分の苦手なところがわかるので、授業中ではその苦手なところを注意深く聞いたり、質問できるというメリットがあります。とはいえ、時間が無限にあるわけではないので、基本的には復習を中心にしましょう。

まとめ〜復習のタイミングと方法について〜

復習についていろいろと述べてきましたが、大切なことは「忘れた頃にくり返し復習をする」ということです。

そして復習のタイミングは、徐々に間隔を空けていくことを意識して、一度だけで満足せずに何度も行うことが大切です。具体的な方法として、「2×2法」と「ウォズニアック法」を紹介しましたが、しっかりタイミングを守ることよりもまずは繰り返し復習する習慣をつけることをおすすめします。

勉強をしているのに覚えられなかったり、覚えたつもりだったのに忘れてしまうという人こそ、何度も復習をして記憶に残しましょう。