子どもが勉強を全くしなくて困っていたり、勉強しないでダラダラしているのが目につくとイライラする。
いつも勉強をするように言っているのに思ったように全然勉強しない。
そんなお父さんやお母さんに知ってほしいことは、それらは逆効果になっている可能性があるということです。
この記事では、つい言ってしまいがちな「勉強しなさい」を言ってはいけない理由と、子どもが勉強をするようになるためには、親はどんなことをすれば良いのかをお伝えします。
「勉強しなさい」を言ってはいけない3つの理由
ついつい言ってしまいがちな「勉強しなさい」ですが、言ったところでほとんど効果はありません。むしろ逆効果になってしまいます。
なぜ逆効果になるのかをお伝えします。
子どものやる気を奪ってしまう
「勉強しなさい」と言うことは、勉強を強制することです。
やる気があるときでも周りから強制されるとやる気をなくしてしまいます。
さらに、勉強を強要し続けると、言われる方は抑圧されているように感じ、ごまかしたり嘘をついたりするようになってしまいます。
この方法を逆に利用して、悪い習慣をやめさせるという方法があります。やめたいけどやめられない習慣を強制的にしなければいけない時間をつくることで、やる気を奪い、やめる方法です。実はこの方法は100年以上前から使われている方法です。
このように強制することは、元々やっていた習慣さえも止めてしまう力があるので、やる気を持たせたいなら絶対にやってはいけない方法です。
嘘をついたり誤魔化すことが増え、ストレスを与えてしまう
小学生までなら、「勉強しなさい」と言うだけで素直に勉強していたかもしれません。
これが中学生になってくると自立心が生まれるので、反抗する態度が増えてきます。
いわゆる反抗期です。
とはいえ、反抗期は自立のための健全な状態なのでそれほど心配しなくても大丈夫です。
それよりも親の権力が強く、なおかつ高圧的な言葉や恐怖心で抑えつけていると、子どもは反抗しないようになります。むしろ反抗したくても怖くてできない状態です。
これだと、外面的には反抗期がないように見えます。
親子の価値観が一致するという理由で反抗期がないこともありますが、これなら問題ないです。
しかし、子どもを権力と力でコントロールすることで反抗させないようにしているなら注意が必要です。
それだと、勉強ができなかった時や何か失敗したことに対して、嘘をついたり誤魔化してその場をやり過ごそうとするようになります。
また、不満でストレスが溜まり続けて体調を崩したり、精神面でも鬱のような状態になりやすくなります。
さらに、溜め込んだ不満が大きくなると、いつか取り返しのつかないような爆発をするかもしれません。
主体性をなくし、考えることや意見を持たなくなる
「勉強しなさい」と言うだけでなく、勉強内容までも事細かに決めてやらせているのも問題です。
これも小学生までならなかなか自分で計画を立てるのが難しいので、親御さんが計画立てても構いませんが、中学2年生くらいになったらあまり干渉しないほうが良いでしょう。
子どもは本来、好奇心が高いものです。
自由にさせておくと気になることや興味のあることに対して、自主的に調べ試行錯誤しながらどんどん進めていきます。
これは、勉強に対しても同様です。
しかし、強制されたことに対しては興味をなくしやすく、また、言われたこと以上にはやろうとしなくなります。
あなたの趣味や好きなことでも誰かに強制された続けたらどう感じるでしょうか?
嫌になってくるでしょう。
同様に「勉強しなさい」と言うことは、勉強への興味を失わせてしまうことになるのです。
子どもとの信頼関係が築けなくなる
もし、あなたの上司が、あなたや部下に指示や命令ばかりで、自分は何もせずにラクをしているように見えたらどう思いますか?
いい気はしないですし、不公平な気がしますね。
子どもがご両親に対して感じていることも同じです。
「勉強しなさい、といつも言うのに、うちの親は何もしていないからずるい!」
こんなふうに思っているかもしれません。
社会人のご両親ならば、仕事で子どもが見ていないところで頑張って働いているでしょうから、家ではゆっくりとしたいと思うでしょう。しかし、子どもはそんなこと知りません。
たとえ、仕事で大変だと話していても実際に子どもは見ているわけではないので、仕事での理不尽なことや大変なことがあっても理解できないのです。
そのため、子どもに「勉強しなさい」と言っても、心に響かないどころか、子どもは親を信頼しなくなってしまいます。
他にも「こんな問題もわからないの!」「なんでこんな簡単な問題を間違えるのか!」といった声かけもNGです。
子どもは「わかるようになりたい、成績を上げたい」と思っている
「私は子どもの成績を上げたいと思っているのに、本人は勉強嫌いで全然しないの!」
こんなことを言う親御さんもたくさんいます。
しかし、子どもは初めから勉強嫌いではないですし、わかるようになりたい、良い成績を取りたいと思っています。
勉強をしないのは、やってもわからないから楽しくないと思っていることや、SNS、動画、ゲームなどの他の誘惑に負けてしまうことによります。
さに、強制されることによってやる気をなくしていることも影響を受けています。
子どもは勉強をしたくないと思っていても、勉強がわからなくていいと思っているわけではありません。
授業は理解したいし、テストでも良い点数を取りたいと思っています。
私の教え子で、勉強をする意味がわからないし、勉強は将来ほとんど使わないのにやってもムダだと言う中学生の生徒がいます。
しかし、わからないことがわかるようになったら喜んでいますし、テストの点数が良ければ誇らしげにしてきます。
人は、人より優れていたい、何かを達成したい、さらには承認されたいという欲求があります。さらに、理解したい、好奇心を満たしたいといった欲求も持っているので、言葉では反対のことを言っていても、心の中では勉強をしたいという気持ちはもっているのです。
親が子どもにできることは限られている
「勉強しなさい」と言ってはいけない理由がわかったところで、それならどんなことをすれば良いのかという疑問にお答えします。
失敗を否定せず挑戦したことを褒める
子どもが失敗したときに頭ごなしに怒っていませんか?
失敗したということは、何かに挑戦したということです。その挑戦したことに目を向けて褒めてあげましょう。
人は失敗から学ぶことができます。致命的な失敗にならないなら、失敗しそうだなと思っても何でもかんでも止めたり、指示したりせずに見守ることも必要です。
そうは言っても何でもさせてよいというわけではありません。やってはいけないことはしっかりと教える必要があります。
勉強ための環境を整える
「親」と言う字が、「木の上に立って見る」と書くように、子どもに干渉しすぎないようにすることが大切です。
しかし、子どもが勉強をしたいと言っても、経済的な都合でさせてあげられないこともあるかもしれません。そうすると子どもの可能性を潰してしまうことになります。
お金がなかったら勉強をさせられないわけではありませんが、多くある方が選択の幅も広がります。
現に、東大生の世帯年収は、6割以上が950万円以上となっています。これは、日本の平均世帯年収552.1万円(厚生労働省 2018年)、児童のいる世帯の745.9万円(厚生労働省 2018年)よりずいぶんと高い値になっています。
つまり、親は子どもの勉強のためにあれやこれやと干渉するより、しっかり稼いでより良い環境を作ることの方が効果的なのです。
勉強する姿を見せる
「勉強しなさい、が子どもとの信頼関係が築けなくなる」でお伝えしたように、自分は何もしていないのに指図や指示ばかりしていると、子どもの不信感が高まっていってしまいます。
それを解決する方法は、親が勉強している姿を子どもに見せることです。
これで口だけだとは思われなくなります。
さらに、人は身近な人の影響を受けます。
例えば、成績の良い人の隣の席になっただけで、本人も成績が上がるということが認められています。
勉強と言っても子どもと同じ勉強をするわけではありません。自分自身のスキルアップのための勉強をすれば大丈夫です。
親として手本を示すつもりで出来れば良いですが、そこまでは出来ないとしても、時々、子どもと一緒に勉強するだけでも効果が良い刺激になるのでおすすめです。
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